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矯正治療

カテゴリ:Palatal Bar

日々の臨床に役立たせるための、矯正治療に関する論文を紹介します。

 

Effect of the transpalatal arch during extraction treatment.

Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2008 Jun;133(6):852-60. 
Zablocki HL1, McNamara JA Jr, Franchi L, Baccetti T.

 

緒言

 パラタルバーは、矯正治療において、回転やアップライト、歯列弓幅径の維持など、大臼歯の3次元的なコントロールを行うことのできる装置である。
また、側方歯群交換期におけるLeeway spaceの維持の目的でも使用される。
 多くの研究において、パラタルバーは大臼歯の回転に寄与すると報告されている。
そこで、本研究では、後ろ向き研究にて、抜歯症例におけるパラタルバーを使用した際の効果を検証した。

対象

 30人の白人で、.018x.025”ブラケットを用いて上下顎両側第一小臼歯の抜歯を行った患者さんで、パラタルバーを用いた群(実験群)とそうでない群(対照群)とで治療結果の違いを評価した。
なお、フェイスボウなどのその他の加強固定のための装置を使用したものは除外した。

方法

 空隙閉鎖の方法は、パワーチェーン、コイルスプリング、クロージング アーチ、顎間ゴムを用いた。
 評価にはL-Rを用い、Ba-Na平面と頭蓋後方部の外線とPTMによる重ね合わせを行った。
また、上顎の重ね合わせは、口蓋平面に沿って、上顎骨上方と硬口蓋下面とで行い、下顎の重ね合わせは、下顎管の外線と根形成前の歯胚の外線、シンフィシス内部の構造とオトガイ前面にて行った。

結果

・上顎の近心移動量は、対照群で実験群より0.4mm多かった。
・上顎の垂直移動量は、対照群で実験群と比較して0.4mm挺出していた。

考察およびまとめ

 本研究における抜歯症例におけるパラタルバーの効果として、大臼歯の近心移動や挺出の防止は期待できないと考えられる。
 そのため、もしも加強固定が必要な場合は矯正用インプラントなどを考慮する必要がある可能性が示唆された。

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